クレジットカードの審査とは?
クレジットカードの審査は、申込者の信用力や返済能力を正しく評価する重要なプロセスです。
年収、職業、住所、年齢、他の借入れ状況、信用情報などの多岐にわたる項目がチェックされ、カード会社独自の基準に基づいて総合的に判断されます。
審査における本人確認書類の重要性
クレジットカードの審査では、申込者が本人であることを確認するため、本人確認書類の提出が必須となります。
運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの顔写真付きの公的書類が求められ、記載内容に不備がないかチェックされます。
オンライン申込の場合でも、eKYC(オンライン本人確認)と呼ばれる方法で、書類の画像をアップロードするなどして本人確認を行います。
本人確認書類なしでは、クレジットカードの審査は通過できないため、事前の準備が欠かせません。
年収記載欄は自己申告
クレジットカードの申込書における年収欄の記載は、基本的に自己申告制となっています。
カード会社が源泉徴収票などの提出を求めることはほとんどなく、申込者の申告を信頼して審査が行われます。
ただし、申告された年収が虚偽だと判明した場合、審査に通過していてもカードの利用が停止されるリスクがあります。
また、カード会社では申込者の職業や勤務先、年齢などの情報から、おおよその年収を推定することができます。
年収の申告額が実態と乖離していると、返済能力に疑念が生じ、審査に悪影響を及ぼす恐れがあります。
年収は、あくまで1年間の総支給額(税引き前の額面収入)を指すため、手取り額と混同しないよう注意が必要です。
クレジットカード審査の信頼性を担保するためにも、年収は正直に申告することが求められます。
キャッシング枠を多くすると収入証明が必要な場合も
クレジットカードのキャッシング枠を申し込む際、一定の条件に該当する場合は年収証明書類の提出が必要となります。
例えば、キャッシング利用可能枠が50万円を超える場合や、他社を含む貸金業者からの総借入額が100万円を超える場合などです。
また、18歳、19歳の方がキャッシング枠の設定・増枠を希望する場合や、お勤め先を変更した場合、過去に提出した所得証明書類の発行日から3年が経過した場合なども、年収証明の提出が求められます。
年収証明書類としては、源泉徴収票や確定申告書の控えなどが該当します。
書類の提出が必要な場合、カード会社から別途連絡があり、お客様の収入に見合ったキャッシング利用可能枠が設定されます。
キャッシング利用時の年収証明は、貸金業法の総量規制に基づく措置です。 借り手の返済能力を超える貸付を防ぎ、多重債務を未然に防止することを目的としています。
利用限度額はどうやって決まるの?
クレジットカードの利用限度額は、ショッピング枠とキャッシング枠に分かれており、それぞれ法律やカード会社の規定に基づいて算出されます。
ショッピング枠は、申込者の職業や年収などの属性情報、社内外の信用情報などを統計的に分析し、カード会社ごとに設定されます。
一方、ショッピング残高枠は割賦販売法に従い、年収から生活維持費と年間請求予定額を差し引いた「包括支払可能見込額」の90%を上限としています。
キャッシング枠は、貸金業法の総量規制に基づき、借入総額が年収の3分の1を超えないように設定されます。
このように、クレジットカードの利用限度額は、個人の返済能力に見合った金額となるよう、法律と各カード会社の審査基準によって慎重に算出されているのです。
居住形態 | 4人世帯以上 | 3人世帯 | 2人世帯 | 1人世帯 |
持家かつ住宅ローン無 または 持家無かつ借賃負担無 | 200万円 | 169万円 | 136万円 | 90万円 |
持家かつ住宅ローン有 または 持家無かつ借賃負担有 | 240万円 | 209万円 | 177万円 | 116万円 |
例えば、持家で住宅ローンがある夫婦、こども1名の場合の生活維持費は3人世帯となるため209万円と算出されます。
年収が300万円でクレジット債務がない場合、支払可能見込額の計算は、年収300万円から生活維持費209万円が引かれて91万円となり、クレジットカード限度額は、91万円に0.9を掛けて約81万円となります。
ただし、クレジットカード利用可能額はクレジットカードごとに最高限度額が設けられているので、クレジットカード限度額が計算上は81万円となったからといって、その通り利用限度額にはなりません。
なお家族構成の欄も証明などは必要ありませんが正直に記入する必要がありませんが誤って多い人数で申込みはしないように注意は必要です。
クレジットカードの利用予定金額とは?
クレジットカードの入会申込書には「クレジットの年間予定利用額」という記入欄があります。
これは、申込者が現在利用している分割払いやリボ払いなどの未払い残高の合計金額を指します。
例えば、30万円の商品を10回の分割払いで購入し、すでに6回分を支払済みの場合、残りの未払い金額である12万円がクレジット債務となります。
2回払いやボーナス払いなども、支払いが完了するまではクレジット債務に含まれます。一方、住宅ローンや自動車ローン、カードローンなどは割賦販売法の対象外であるため、クレジット債務には該当しません。
カード会社がクレジット債務の金額を把握することで、申込者の他社を含めた借入状況を考慮し、返済能力を適切に審査することができるのです。
クレジット債務は、新規カード発行の可否や利用限度額の設定に影響を及ぼす重要な審査項目の一つといえます。
収入の少ないパート・アルバイト・専業主婦・学生も申込みOK!
パート・アルバイトで働く人や専業主婦、学生など、収入が少ない人でもクレジットカードを作ることができます。
年収が低くても、勤続年数が長ければ審査に有利になる場合があります。専業主婦や無収入の学生の場合、年収欄には正直に0円と記入しましょう。
審査では、同居する家族の年収を元に支払い能力が判断されます。クレジットカード申込時の希望限度額は30万円以下に抑えると、簡易審査で発行可能になります。
また、学生向けのクレジットカードであれば、アルバイト収入がなくても持てる可能性が高いです。ただし、短期間に複数のカードに申し込むのは避けましょう。
年収が低くてもあきらめる必要はありませんが、年収以外の審査情報も大切だと覚えておきましょう。